数学日誌

高校生向けに大学の数学を解説したり、日々の勉強内容をたまに載せたりします。高校生向けの記事はLaTeXで、それ以外は手書きノートで上げようと思います。

自分の数学遍歴

皆さまお久しぶりです。

あまりにブログを動かしてなかったので、とりあえず何か書きます。

正直なんでもいいのですが、パッと思いついたので自分の数学に関する事を色々振り返って行こうと思います。

 

まず数学を好きになった最初の時期はおそらく小学四年生?だったと思います。経緯は忘れましたが、両親に「わくわく算数辞典」?みたいなのを買って貰ったのがきっかけです。この本は中学受験用の算数の参考書です。ありきたりな本かもですが、学校の授業でしか算数に触れてなかった自分からしたら植木算とか四分円の面積とか知らないことばかりで凄くわくわくして読んでいました。(まさにわくわく算数!)

あとは、算数の教科書の表紙が迷路だったり「ドルフィン魔法学校」?なる魔法学校のキャラをモチーフにした算数の問題だったり子供心くすぐるものが多くて、とても楽しんで算数をしてた記憶があります。

 

中学校に入ると、これまたよくは覚えてないのですがその時の数学の先生と仲良くなって色々と数学を習ってたのを覚えています。その先生には中学生活の中で一番期待を寄せてくれた先生でした。(ありがたい話です。)

そして、中二になるとその年から新しい校長先生が来られました。その先生は数学の先生で、どう噂を聞きつけたのか校長室に何回か呼ばれ、そしてそこで校長先生から数学を習ったりしてました。そしてそれとは別に、理科の先生とも仲が良くてその先生の息子さんの使ってた数学の参考書なんかを譲って頂いて勉強をしてました。

とはいっても、大体毎日部活終わって友達と遊んでそこから家で数学する…って感じだったのであまり勉強量自体は多くなかったかもしれません。ですが、やっぱり非常に楽しかったのを覚えています。

 

高校生になると、偶々クラスの担任が数学の先生で、また目をかけられて…って流れになりました。後で聞いた話なのですが、担任が自分に目をかけるようになったキッカケは私が偶々三角関数の質問を先生にしたからだそうです。こんな些細なキッカケで、大きく人生が変わるなんて不思議です。

というのも、その担任からの薦めで某大学の企画に参加させていただく事になったのです。

その企画というのは、大学の元先生が高校生に学部数学を教えるって類の企画でした。その時に指導をして下さった先生が元九州大学の先生だったのです。本来、その企画は一年きっかりでお終いだったのですが、その先生と仲良くなってその後何年も個人的に一対一で数学を教わってました。

この時まで私自身、大学とかまともに考えたこともなければ進学すらするか微妙でした。(そもそも高校すら行かなくていいとか中学時代に話してたと両親が語ってました。)

ですが、この先生の指導がとても素晴らしくこの先生のいた大学になら通ってもいいかなと思い、九大の数学科に進学しました。

 

大学以降の話は、特に何もないので(というか個人情報モロバレすぎるので)カットします。

 

 

あとは最後に各時代で自分がどんな数学を面白いと思ってたかについて簡単に話します。

 

小学校時代は「わくわく算数」以外の記憶がありません。

 

中学校時代は図形の問題がすごく好きで、角度を求める問題が収録されてる無料アプリとかいろんな高校の図形問題が載ってる問題集とかをひたすら解いてました。難しければ難しい程燃えるタイプでした。特に角度に関する問題が大好物だった気がします。

 

高校時代は、やっぱりなんといっても複素関数論です。高校でいきなり複素数が出てきて「なんだコイツ?!」ってなり私は拒絶反応を起こしてました。そして、懇意にさせて頂いていた教授に「複素数みたいな想像上の数ってなんで考えるんですか?実数だけでいいし、受け入れられないです」的なことを話しました。

すると、複素数を受け入れられないのは頭が固いだけです。と言われて複素関数論の美しい世界を紹介して頂きました。

本当に、それに感動をして「今までなんて頭が固かったんだろう!今までは視野が狭くて実数までが世界の全てだと思ってたけど、本当はもっと広い世界が見えないところに隠れてるんじゃないか」と思いました。というか、人間に見えないだけで世の中は複素数でできてるんじゃないかと本気で思うくらいに感動しました。

これが私を数学科に進学させた最大の理由です。もっともっと今の自分が知らない凄い世界を、綺麗な世界を知りたいって強く思いました。

 

こうして振り返ってみると、能動的に何かをしたことがほとんどないですね。より正確に言うと1人でやった事がほとんどありません。

常に誰かに助けられて(?)数学をしてきた事が分かります。

でもこれは数学に限らず、自分の人生は常に誰かの支えがあって成り立ってました。そういう意味では自分らしい数学ライフを送っているとも言えます。

いつか支えて下さったみなさんにお返しがしたいとは思っているのですが、それがいつになるかは未定です_(:3」∠)_

代数関数体論1

皆さまお久しぶりです。

今回からは代数関数体のセミナー原稿をアップロードしていこうと思います。

今回はその初回ということで、基礎的な内容を例を交えながら解説する感じにしています。

使っている本は「代数関数体と符号理論」という本です。

自分のセミナーでは、なるべく本に書いてないことを話すというのを意識しているので証明の細部などは原稿に書いていません。なので、証明の細部や証明の仕方などが気になる方は本を手に取ってみてください。

代数の本は相変わらず例が少なく、今回は例を沢山出す事を自分のテーマにして原稿作成をしました。

 

代数幾何学の定理などの引用は、証明読まずに本から丸パクリしたりしてるのでもし誤り等があったらぜひ教えていただきです!

 

pdf:https://drive.google.com/file/d/1DkCZE_x58FnN6GJIPSuZMITYywZs41sY/view?usp=drivesdk

自主セミナーの原稿

皆さまお久しぶりです。

今回からは、自主セミナーの原稿をアップロードしていこうと思います。三日坊主なので、どこまで続くかは未定ですが、ボチボチ上げていくつもりです。

因みに読んでる本はliuの「algebraic geometry and arithmetic curves」です。

 

今回はスキームの定義から射影スキームです。

もう少し射影スキームの例を紹介したかったのですが、うまく構成できませんでした…

どなたかスキームの良い例をご存知の方がいましたらぜひ教えてください。

 

pdf:https://drive.google.com/file/d/16VRcou470MluMJrJ30JCEHkX20HcNTb2/view?usp=drivesdk

セミナー原稿(5/15)

皆さんお久しぶりです。

そーいえばセミナーの原稿をまとめてアップロードするのを忘れていたので、とりあえず5/15の分のやつをアップロードしてみます。

この原稿の中で付けられている証明は読めばわかると思いますが、完全ではありません。

完全な証明はとても長く、そちらを載せても良かったのですが後々のことを考えると証明は簡単なところor要約をメインにしています。

 

例えば、あるリーマン面に点を付け加えてリーマン面を拡張したりすることがしばしばあります。この時、点の付け加え方などはそれなりに自然に決まるのですが点を加えた集合にリーマン面の構造が入ることは非自明です。

まず位相構造を入れて、複素構造を入れて、そしてその点を加えた時に元々の正則写像はどうなるか、もしくは注目している写像が正則になるかどうかなど調べることが多くて中々にハードです。

 

なのでそこら辺は割愛して、どんなふうに点を付け加えるのか、あるいはその点の満たすべき性質をどう決めるのか等を話すだけにしています。

これはあくまで一例ですが、こんな風にしっかり行間を埋めようと思うと物凄く大変なのです。

 

因みにこれからの流れは、今回分岐被覆について調べて、次に分岐被覆と有理型関数体の拡大の関連、そして代数曲線で似た感じのことをやっていくという流れになっています。

 

pdf:https://drive.google.com/file/d/1so3WVRsQE01eOS8d6u00j7J5FpgKWVeo/view?usp=drivesdk

位相空間論入門1

今回はシリーズもので、全3回で位相空間論の基礎を簡単に解説していこうと思います。

対象は文系の高校生を一応想定しているので、かなり丁寧に書いています。

 

内容としては、今回でε-N論法とε-δ論法の概説をして、次回で位相空間論の基礎である実数平面について解説した後距離空間の解説もします。

そして最後に今までの話をもとに位相空間論の解説をしていこうと思います。

 

ツラツラと証明を並べるのは読む人を疲れさせるし、そういうのはちゃんとした本に任せれば良いと考えた為証明の数はかなり少なくしています。

皆さんはぜひ自分の手で証明を考えたり、例を作ったりしながら読んでみてください。

 

pdf:https://drive.google.com/file/d/1u-nI45D4_6nvzftRH_wJThXPDTMjoKi-/view

東大院試 A3 解答

今回は東大の位相空間論に関する問題です。

夜眠れなくて暇だったので昔の携帯の写真漁ってたら、確か一年生の時に解こうとして解けなかったこの問題のスクショが出てきました。

最近位相空間論の入門記事も書いてるし、リベンジも兼ねてこの問題を解いてみました。

なので年度は分かりませんでした。でも確か東大だったと記憶してます。

 

この問題は(1)は簡単で問題は(2)です。

解答を見るといかにも簡単そうに見えますが、私はかなり悩んで多分1時間以上悩みました。

a=1と0<a<1の時はすぐに言えたんですけど、a>1の時が中々うまくいきませんでした。

私はa>1のときはハウスドルフ になりそうと考えて必死にハウスドルフ 性を示そうとしていました笑

しかしn回合成してx(解答では0)になる様な点の存在に気がつき、こいつの極限がなんと1/(1-a)になっているという驚愕の事実に気がつきました。

あとはそれを使ってハウスドルフ でない事を示しました。

 

つまり0<a<1ではnを正に大きく、1<aではnを負の方に大きくすれば良かったわけです。

 

にしてもこんな問題試験中に解ける気がしません…笑

 

pdf:https://drive.google.com/file/d/1C9O8GUmWIWcfvlktYeWrPVuamCtrH9To/view

H30年度 京大院試 専攻科目1

今回は、以前友達と一緒に解いた京大の院試の解答を加筆してアップロードします。

加筆というのは、解いた時はkが有限体の時を考慮に入れておらず書きながら慌てて書き加えた為です。

体論は後期にやったばかりなのに、理解が悪いのか中々頭に定着してきません。

 

有限体の性質とかガロア拡大の性質とか覚えること多すぎません?笑

 

京大の院試過去問一覧: https://www.math.kyoto-u.ac.jp/ja/past-exams

pdf:https://drive.google.com/file/d/1I9hrhadruNCtU4iEKyA40baYzEA-1fFG/view