数学日誌

高校生向けに大学の数学を解説したり、日々の勉強内容をたまに載せたりします。高校生向けの記事はLaTeXで、それ以外は手書きノートで上げようと思います。

2019-01-01から1年間の記事一覧

セミナーの原稿4

皆さまお久しぶりです。 今回もセミナーの原稿?下書き?をアップロードしておきます。 今回の内容としては、まず前層と層の定義そして茎や芽の定義をした後に茎の保守性と呼ばれる性質と層化についてまとめました。 層化については教科書よりもハーツホーン…

点列とネット

皆さまお久しぶりです。 今回は位相空間論からネットというものについて紹介します。 これは純粋な点列の一般化で、初心者にも扱いやすいものではないかと思い選びました。 本当は本とか読みながらきちんと書くのが良いのでしょうが、pdf書こうと思ったら既…

セミナー原稿3

セミナーの原稿3回目です。 今回の内容は、まず被覆空間のガロア理論である正規被覆と基本群の正規部分群が1対1に対応する事を示して、その後に応用として基本群の簡単な求め方を紹介します。 そして次に今までやった被覆空間の一般論をリーマン面に応用して…

数学の問題

今日は、あまりに記事にすることが無さすぎるので前に友達に解いてと言われた問題を載せようと思います。 内容は一年生の微分積分学で、使う知識もそこで十分足ります。 問題文は以下の通りです。 問題 f:ℝ→ℝを微分可能な関数とする。(元はC^∞だった) a

セミナーの原稿2

皆さんお久しぶりです。 相変わらず忙殺されていて、中々記事の更新ができていません。ネットの話とか最近解いた問題とか記事にしたい事はたくさんあるのにね…笑 今回のセミナーは、普遍被覆と呼ばれる特別な被覆空間の構成が目的となっています。 ただし今…

セミナー原稿

皆さんお久しぶりです。 最近は色々と立て込んでいて、更新がこんな夜遅くになってしまいました。 今回の内容は3年後期セミナーで行われるセミナーの原稿です。自分が今一番勉強している事となるとやっぱりそれはセミナーになってしまう訳で、そのまとめの意…

Logzの解析接続

ブログの記事を更新するのをすっかり忘れていました。 今回はLogzの解析接続についての内容です。 logzが多価関数である事は非常に有名で、その主値を取る関数Logzも解析接続により値が2πiずつズレていく事もご存知の方は多いと思います。 なので今回はLogz…

H28年度 東工大基礎科目 3

今回も、東工大の基礎科目から問題を選びました。 内容は位相空間論でこの間の問題に比べたら難しいと思います。 pdf:https://drive.google.com/file/d/18frgMMu7ak9QFSDIKNsY594zzzwGoafE/view?usp=drivesdk

H30東工大数理基礎科目 3

今回は、バイトまで少し時間ができたので基礎科目の方から問題を選んでみました。 内容は位相空間論の基本的な問題です。 実は(?)私の一番得意な分野は代数でも幾何でも解析でもなく、位相空間論だったりします。高校の時からウンウン頭を悩ませていたのが良…

アティマク演習問題 2.20

今回はアティマクの演習問題2.20の解答です。 問題の内容はテンソル積と順極限が可換である事を示せという内容です。 本当はもっと図式とか使って計算量を減らしたいし、減らせると思うのですが上手くいかなかったので素朴に計算しました。 おかげさまで計算…

アティマク 第2章8番の解答

今日は、Twitterのアンケートで地味に票が多かったアティマクの演習問題の解答です。 まだ試作段階なので、とりあえずさっき解いた第2章の8番の解答をあげてみます。 今回の内容は平坦性に関する問題です。 本文に出てきた、短完全列をテンソルしても完全列…

代数学に関する本の紹介

今回は、代数学に関する本で今まで読んだ本を色々紹介していこうと思います。 私は代数学は色んな本を広く浅く読んでいる都合で最後まで読み通した本が雪江代数位しかありません(というかいつも素元分解や既約元分解の辺りで挫折するのでそこから先に進めて…

群論小話

今回は群論が苦手な方、特に群論習ったけど意味分からんって人向けに作りました。 あくまでも小話なので、厳密な話や証明は載せていません。あまりそういった細かいことは気にせずに雰囲気だけ楽しんでください。 個人的に数学はどれだけ対象を身近なものに…

オススメの数学書の紹介

タイトルの通り、本日は今まで読んできた数学書の中でオススメできるものを紹介していこうと思います。 1.高木貞治 「解析概論」 これは私が大学生になって初めて読んだ本です。この本は色んな方がオススメしていて、よくご存知な方も多いと思います。 この…

R1年度九大院試 専門科目[2]

今日は九大数理から代数の問題です。 代数分野は来年度の院試対策の時に解く問題がなくならない様に解かない様にしていたのですが、なんか難しい問題が出たらしく、解いてみました。 恐らく(2)を誘導問題として解答を作るのが模範解答だと思いますが、多項式…

H29東工大数理専門科目 [6]の解答

久しぶりの更新です。 意外と院試の解答に需要がありそうなのでとりあえず一つ記事にしてみようと思います。 半年ぶりとはいえ、久しぶりに複素解析したら色々と忘れていて結構大変でした笑 しかし微分方程式の簡単な応用(別解)としてこの問題を紹介したかっ…

p進整数環のコンパクト性

p進数体ℚ_pのうち、p進絶対値が1以下のもの全部の集合をp進整数環と呼びℤ_pと書きます。 ℤ_pの位相的な性質として、コンパクトである事が知られていてそれの証明を今回は紹介しようと思います。 今回の証明はAlain M Robert の「A Course in p-adic Analysis…

p進展開とその一意性

p進数体ℚ_pにはさまざまな定義がありますが、今回は一番自然なℚのp進距離による完備化でp進数体を定義しています。 この時、p進数はp進展開と呼ばれるローラン展開に似た表示を一意に持つ事が知られています。 しかし、その証明はどこにも載っていない(Googl…

自然同型(2)

今回は自然同型の例として、リースの表現定理を紹介します。 これは1

自然同型(1)

今回は圏論で出てくる自然同型という概念の例として、Gelfand-Shilovの定理を証明します。 これは、Xをコンパクトハウスドルフ空間とした時に XとSpm(C(X))が同相になるという定理です。 今回はまず定理の証明をして、その後にそれがコンパクトハウスドルフ …

大学数学を学ぶ為の準備

今回は高校生向けに、大学数学でよく使われる用語や記号について解説をします。 高校生が大学数学を学ぶ一番の障害は本に出てくる記号や用語を知らないという点だと思います。 なので今回はそのような障害を取り除く目的で記事を書きました。 もしこれ以外に…