R1年度東工大専門科目1
今回は久しぶりに東工大の院試を解いてみました。
(2)までは小テストみたいな問題でお、楽勝じゃん!と思ってたら(3)でかなり悩まされました…
僕は図式を見てあれこれする癖が付いていて、(3)も図式から示せないかなってかなり図式と睨めっこをしたのですが上手くいきませんでした。
なので諦めて具体的に元を表示したらすんなり示せて少しびっくりしました!
冷静に考えたら(2)から、(3)は具体的に元を表示して示すべきですよね。
下がその解答です。
pdf: https://drive.google.com/file/d/1IsileU_6RCzZyA9Lv6R152izrp81n7a9/view
セミナー原稿5
今回も例によってセミナーの原稿もどきをアップロードしておきます。
寺杣先生の本は誤植やらが多いので、他にもこの本を読んでいる方の助けになれば幸いです!
結構行間は埋めてあるつもりです。
さて、内容は加群の層の間の射に対して核や余核を定義したり完全列を定義したり、複体のあれこれやチェックコホモロジーの定義やらをしました。
今回の一番の目的はやはり層係数のチェックコホモロジーでしょうか? まだ具体的な計算とかは全然できていないのですが、どうやらこいつがこれから先とても大切になってくるらしいとのことです!
そして層を係数を加群層に対してテンソルを定義した訳ですが、素直にテンソルを対象とする関手じゃ層にはなってくれないらしいのですがその例が上手く作れませんでした。
どなたか作れた方がいましたら是非教えてください_(:3」∠)_
pdf: https://drive.google.com/file/d/1Vpkgs6jl91r55LfacYtyBv266isPb10f/view
セミナーの原稿4
皆さまお久しぶりです。
今回もセミナーの原稿?下書き?をアップロードしておきます。
今回の内容としては、まず前層と層の定義そして茎や芽の定義をした後に茎の保守性と呼ばれる性質と層化についてまとめました。
層化については教科書よりもハーツホーンの演習問題にあるエタール空間を用いて定義した方が、正則関数芽のなす層の類似になっていて扱いやすいと判断した為そちらを採用してます。扱いやすいと言っても、直感的に議論が出来るだけで議論自体は長くなっちゃった気がします。
そして最後に層や層化の例としてスキームの定義をしました。
本当はスキームの例や層化の例など色々やりたかったのですが、今回は1週間しか準備する時間がなかった為間に合いませんでした。
因みに今回から教科書が寺杣先生の「リーマン面の理論」という本に変わってます。
pdf: https://drive.google.com/file/d/1ggNRHmoSK0dctIDl5tVMfHRYXFDSu_vm/view
点列とネット
皆さまお久しぶりです。
今回は位相空間論からネットというものについて紹介します。
これは純粋な点列の一般化で、初心者にも扱いやすいものではないかと思い選びました。
本当は本とか読みながらきちんと書くのが良いのでしょうが、pdf書こうと思ったら既に図書館が閉まっていたので諦めてなにも見ずにpdfを作ることにしました。
2年前にやった事なのに意外と覚えてるものなんですね。
とりあえずネットに慣れる為に簡単な命題をいくつか示しましたが、ネットを使うと議論が遥かに楽になる様な例というのを載せることができなかったのが残念です。
私自身、ネットを使ったのは2〜3回程度なのでやっぱりある程度位相空間論に慣れると素朴な議論である程度対処ができるんだと思います。
それに本当に難しい問題なんて解く機会ないですしね。
ですが私は初めてネットを知ったときはとても感動しました。点列の議論を一般の位相空間論でここまで同じように回せるということに凄いなぁと幼心に思ったものです。
このpdfを読んでネットについて色々調べた人が私と同じ感動を味わえたら幸いです。
P.S.
何も見ずに書いた為もしかしたら何か誤りがあるかもしれません。その場合はぜひお教えください。
pdf: https://drive.google.com/file/d/1QEnYWpYHx3WcQvYCQGJ2nJqqWAQ1rX5r/view
セミナー原稿3
セミナーの原稿3回目です。
今回の内容は、まず被覆空間のガロア理論である正規被覆と基本群の正規部分群が1対1に対応する事を示して、その後に応用として基本群の簡単な求め方を紹介します。
そして次に今までやった被覆空間の一般論をリーマン面に応用して、リーマン面の分類を行います。
そして最後は有理型関数と普遍被覆空間内の、被覆変換で不変な有理型関数が同一視される事を示して終わりです。
てな感じでやってる内容自体はそんなに多くはないのですが、相変わらず一々示さなきゃならない事が多い為とても分量が多くなってます。
なので今回は特別に証明を簡略化した発表原稿も載せておきます。
長いの読みたくない!って人は発表原稿さえ読めば多分大丈夫です。多分…
行間埋めたやつ:
https://drive.google.com/file/d/1CyUzKs396DJqW28s_IY2Kdy8zAxWtp6W/view
発表原稿:
https://drive.google.com/file/d/193y1yaqsrR8FAt7WRqwWaFIAZTxM239l/view
数学の問題
今日は、あまりに記事にすることが無さすぎるので前に友達に解いてと言われた問題を載せようと思います。
内容は一年生の微分積分学で、使う知識もそこで十分足ります。
問題文は以下の通りです。
問題
f:ℝ→ℝを微分可能な関数とする。(元はC^∞だった)
a<bとし、
f(t)∈[a,b]⇒f'(t)=1
f(0)=a
という2条件をfが満たす時f(b-a)=bか?
てな問題です。
これは俗に言う当たり前過ぎて示すのが難しい類の問題だと思います。絵を書いたら明らかにf(b-a)=bだしね。
ここでいきなり答えだけ載せてもいいんですけど、それだと味気ないので自分がどう解いたかを少し解説しようと思います。
以下X=[0,b-a]とおきます。
まず考えたのは{x∈X|f'(x)=1}がXで開かつ閉となることを示してXの連結性を使う事です。
f'(x)=1となるx∈Xをとれば、それは明らかにa≦f(x)≦bっぽいからその近傍でもf'が1になりそうだなーってのが動機です。
でも任意にf'(x)=1なるxを取っても話は進まず、xより小さい範囲に何かしら情報がないとどうにもできなかったんですよね。だから次に考えたのが帰納法みたいにx=0からどんどんf'(x)=1となる小近傍を重ねていく事です。
でもℝって非可算だし小近傍を取るたびに近傍がめちゃくちゃ小さくなっていったらb-aまで近傍列が届かないんじゃ?!なんて思いこれも断念。てな感じで素直に示すのは無理そうだから、背理法を選びました。
アイディアはすごくシンプルで、まず情報のある0近傍で考えます。
すると0のある近傍で1次関数であることがわかります。 そしたらどうせ端点で矛盾起こるだろって事でx=mでの連続性を用いて矛盾見つけて証明終わりです。そして記事書いてて思ったけど、これA={x∈X|f'(x)=1}の上限Mがb-aになること示した方が早いですね多分。 小近傍を0からペタペタ貼らずに一気に上限取って極限取れば終わりですね、はい。
意外と話が長くなったけど、解答を載せておきます。 暇な方は是非〜
pdf: https://drive.google.com/file/d/1APkgdXp_Km6dMFgggLWMrSpRRLmbCBSl/view
セミナーの原稿2
皆さんお久しぶりです。
相変わらず忙殺されていて、中々記事の更新ができていません。ネットの話とか最近解いた問題とか記事にしたい事はたくさんあるのにね…笑
今回のセミナーは、普遍被覆と呼ばれる特別な被覆空間の構成が目的となっています。
ただし今回は次回やる予定の、被覆空間におけるガロア理論の為の準備回です。
ただ、まだガロア理論の章まで読めていないので次回の内容がどうなるかは未来の自分次第です。
幾何学を本格的に学んだのは今回が初めてなのですが、いざ学んでみるとやっぱり楽しいものですね!
pdf: https://drive.google.com/file/d/1HgUhJw2MD141Dvd1cxySNu6WLQCOi6gi/view