数学日誌

高校生向けに大学の数学を解説したり、日々の勉強内容をたまに載せたりします。高校生向けの記事はLaTeXで、それ以外は手書きノートで上げようと思います。

数学の問題

今日は、あまりに記事にすることが無さすぎるので前に友達に解いてと言われた問題を載せようと思います。

内容は一年生の微分積分学で、使う知識もそこで十分足ります。

問題文は以下の通りです。

問題

f:ℝ→ℝを微分可能な関数とする。(元はC^∞だった)

a<bとし、

f(t)∈[a,b]⇒f'(t)=1

f(0)=a

という2条件をfが満たす時f(b-a)=bか?

てな問題です。

これは俗に言う当たり前過ぎて示すのが難しい類の問題だと思います。絵を書いたら明らかにf(b-a)=bだしね。

ここでいきなり答えだけ載せてもいいんですけど、それだと味気ないので自分がどう解いたかを少し解説しようと思います。

以下X=[0,b-a]とおきます。

まず考えたのは{x∈X|f'(x)=1}がXで開かつ閉となることを示してXの連結性を使う事です。

f'(x)=1となるx∈Xをとれば、それは明らかにa≦f(x)≦bっぽいからその近傍でもf'が1になりそうだなーってのが動機です。

でも任意にf'(x)=1なるxを取っても話は進まず、xより小さい範囲に何かしら情報がないとどうにもできなかったんですよね。

だから次に考えたのが帰納法みたいにx=0からどんどんf'(x)=1となる小近傍を重ねていく事です。

でもℝって非可算だし小近傍を取るたびに近傍がめちゃくちゃ小さくなっていったらb-aまで近傍列が届かないんじゃ?!なんて思いこれも断念。

てな感じで素直に示すのは無理そうだから、背理法を選びました。

アイディアはすごくシンプルで、まず情報のある0近傍で考えます。

すると0のある近傍で1次関数であることがわかります。 そしたらどうせ端点で矛盾起こるだろって事でx=mでの連続性を用いて矛盾見つけて証明終わりです。

そして記事書いてて思ったけど、これA={x∈X|f'(x)=1}の上限Mがb-aになること示した方が早いですね多分。 小近傍を0からペタペタ貼らずに一気に上限取って極限取れば終わりですね、はい。

意外と話が長くなったけど、解答を載せておきます。 暇な方は是非〜

pdf: https://drive.google.com/file/d/1APkgdXp_Km6dMFgggLWMrSpRRLmbCBSl/view